首都圏の鉄道では、ホームドアの取付が着実に進んでいます。もちろん、東京メトロでもホームドアを稼働させる駅は増えています。さて、そんな東京メトロですが、導入するのに苦労する線があります。それが、今回紹介する東西線です。
なぜ、東西線は「ホームドアの導入に苦労するのか」と言いますと、使用している車両が他線とは異なり特殊だからです。
まず、東西線は有数の超混雑路線です。そのため、ワイドドアを採用した車両が走っています(05系の一部と15000系)。そうなると、ホームドアも開く範囲を大きく取らないといけません。
さらに、ドアの配置が均等でない車両(05系と07系)が走っています。これは、中央の座席が7人がけであるのに対して、両隣の座席が6人がけになっているため、ドアが中心から少し離れた位置になり、4ドアでも配置が均等になっていないのです。そのために、有楽町線が副都心線と共通化してホームドアを取り付けた際に、ホームドアの位置が合わない07系が有楽町線から東西線に転属されたわけです。
このように、東西線は車両の構造上でホームドアを取り付ける条件が厳しいのです。しかしながら、転落事故の懸念がある以上は早急に手を打たなくてはなりません。そこで、試験的に先行して中野方面ホームの後2両分に大開口型ホームドアが取り付けられました。これで実証実験を行い、この度ホーム全てへの取付に踏み切ったのです。最近になって取り付けるための貫通穴が開けられ、10月に取付が始まり、2018年2月の予定で稼働することになっています。
東西線 九段下駅でホームドア取付準備が始まる
